・・・・・・・っということで、久しぶりにジジイはかく語りき。
【悩んでいる人に哀れみは要らない】
病気で苦しんでいる人、特に心の病気で悩んでいる人に、つい哀れみの言葉をかけたり、同情の気持ちを表 してしまいがちだ。
そういう言葉をかけられることにより、その人は自分の現状をますます悲観するだけだ。
そして、言葉をかけてもらった人を悲しませてしまい、申し訳ないとの気持ちも持つはずだ。
だから、そういう言葉は無駄だけではなく、有害でさえある。
ちょっと気が利く人は、励ましの言葉を伝えようとする。
でも、病人というものは、非常に敏感なものだ。
励ましの言葉の裏にある、微妙な心の動きを察知して、余計に悩む結果になってしまう。
私の義父が癌にかかったとき、不治の癌であることは伝えなかった。
面会者の言葉の揺れを見逃すまいと、義父が神経を尖らせていることが分かり、会うことが辛かった。
では、どうするべきなのだろう。
真実を伝えればいいのである。
真実とは、あなたの病気は治らないとかいう真実ではない。
自分は医者でも、神でもないのだから、そんな真実は分からない。
私の言う真実とは、例えば、梅雨は永遠には続かないということ。
地上はどんより曇っているけれど、雨雲の上は必ず快晴であること。
私はそれを知っている。
そして、梅雨は必ず明けること。
皆はそれを知っている。
私の言うのは、そんな真実なのです。
病気で悩んでいる人は、梅雨が永遠に明けないと信じ込んでいる。
そんな人なのです。
人間は希望がなければ生きていけない。
今はとても具合が悪くても、明日は今日より良くなる。
たとえ少しでも。
そしていつかは完治する。
それが希望なのです。
end.
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