・・・・・・っということで、ぼくは涙もろい。
もう、メチャクチャもろい。
歳をとったせいかなとも思うけど、
子供のときから涙もろかった。
だから、喧嘩はなるべく避けるようにしている。
不名誉なことだが、小さいときは大体泣かされていた。
小学校四年生のときに起きた喧嘩なんか、
いまから思い出すだけで、心が締め付けられそうになる。
・・・・・・
クラスにガキ大将がいた。
図体がデカくて、乱暴者だった。
ぼくは、背は高い方だったが、痩せっぽちだった。
物理的な喧嘩では全く勝ち目がなかった。
それでも、そのガキ大将をやっつけてやろうと思った。
どうやっつけるかというと、最終的にソイツを泣かせてやろうと思ったのだ。
もちろん、彼が泣くなんて誰も想像さえも出来なかった。
これはなかなか無謀な計画だった。
でも、そのチャンスは巡ってきた。
細かいことは覚えていないが、彼がドジったチャンスを見逃さなかったのだ。
それをネタに、言葉で攻めた。
自分でも不思議なくらい、ソイツを貶める言葉が次から次に口をついて出てきた。
クラスの全員が、ことの成り行きに固唾を呑んで注目した。
そして・・・・・・
そして、ついにヤツは泣き出した。
巨体をゆすって、おお泣きし始めたのである。
やったァ~、心理作戦大成功。
自分でも、こんなことが成し遂げられるなんて。
ある意味、それは不思議な光景だった。
・・・・・・
ところが、次の瞬間、信じられないことが起きた。
何が起きたと思います?
・・・・・・
アア嫌だ。
ここまで書いて、書きたくなくなるくらい嫌なことです。
・・・・・・
なんと、ぼくはもらい泣きをしてしまったんです!!
ガァ~ン。
こんなことってあるのでしょうか?
・・・・・・
もらい泣きをしている自分を、頭で理解できなかった。
・・・・・・
シラケました。
その一部始終を見ていた、クラスの全員が。
・・・・・・
ある女の子の一言がいまだに耳に残っています。
「あら二人とも泣いちゃったっ!!」
・・・・・・
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