2009年10月21日水曜日

女の気持ち

・・・・・・・っということで、また昔話なんだけど。

(恋愛論じゃないです。)

ぼくがまだペーペーだった頃、同じ部署にいた女性社員の話。

小さくて華奢な体つきの女性だったなぁ。

ちゃんとした大学を出て、ものすごく真面目な子だった。

いわゆる良家の子女。

ある日、妊娠しちゃったんですね。

相手は、絵描きを目指している若い男だった。

もちろん、お互い未婚。

ぼくはその男に会ったこともなく、別の女性社員から聞いただけなんですがね。

貧乏画家を絵に描いたような男で、女性の両親は結婚に大反対だった。

タブン、生活力も才能もなかったんでしょうね。

彼女の友人達も、アイツはよした方がいいと口を揃えて反対していたくらい。

でも、本人は真剣に一緒になろうとしていた。

そんなこんなで、仕事は続けていたんだけど、そのうち流産してしまった。

両親もホッとしたし、女子社員達も内心ヨカッタって思った。

これで、冷静になって結婚を諦めるんじゃないかって。

・・・・・・

でも、結局彼女は会社を辞めて、その男の安アパートに押しかけ、同棲してしまったんだけど、

辞める際に彼女が同僚に話しているところを小耳に挟んだ。

「たしかに彼は欠点だらけだけど、彼には良い点もあるんです。

 私には、その良い点が一つあるだけでいいんです。」

っと言っていたのだ。

同僚の女性は、彼女の一途な思いに納得している様子だった。

でも、ぼくは何か変だなぁと思った。

誰だって、探し出せば良い点は出てきますよ。

引っかかったのは、一点でもあれば愛することが出来るってェとこなんです。

一点じゃ少なすぎだろう?

どんな犯罪者だって、良い点を探せば3、4個は出てくるだろう。

一点でいいなら、どんな男でも愛せるってことになるじゃないか?

・・・・・・

ここで、言葉尻を捕まえて揚げ足を取ろうとしているんじゃないんです。

女の気持ちなんです。

破滅と分かっていても、突き進んじゃうんです。

無理に自分を納得させる理由を、コジ付けてでも。

男には、分からない感情です。

妊娠なんて経験できないもんで。

ちょっと冷静になれば、

あるいは、ちょっと経験を積めば、

男なんて一人だけじゃないって分かるはずなんですけど。

彼女なら、もっと良い男性をゲットするチャンスはあったはずなのに。

まあ、この子のケースは特殊な部類かも知れないとも考えられますが、

多分に、こういう面が女性にはあるような気がするんですが、どうでしょう?

親にとってはショックでしょうね。

ぼくなんか、娘が二人なもんだから、心配でしょうがない。

いつも娘達からは、

「パパは汚い。クサイ。アル中。役に立たない。」

なんて、しょっちゅう言われている。

仕舞いには、

「ママは何でこんなパパなんかと結婚したの?」

なんてことまで言われる。

そんなときは、

「オーッし、お前達が結婚相手を連れてきたとき、

オレより上等の男を連れてくる自信あるんだろうな。

クダラナイ男だったら承知しないぞ。」

・・・っと言うことにしている。

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