・・・・・っということで、日本の風景は美しい。
イヤ、正確には美しかった。
まだ、正確ではない。
日本の国土、風景、自然は美しい「骨格」を持っている。
ぼくは時々、江戸時代にタイムスリップしたいなァと思うことがある。
なぜかって?
その時代に、日本を旅行した外国人の気分を味わいたいからです。
どの村も、自然に溶け込んでいる。
人工的な建物とは言っても、全て自然の素材だ。
人々は、自然を征服したなんて大それたうぬぼれは持っちゃいない。
大自然の中に、ひっそりと「生活させてもらっている」というスタンスだ。
圧倒されるようなダイナミックな自然ではないけれど、コントロールされた自然。
緻密な自然。
骨格のいい自然。
箱庭のような風景。
そう、箱庭のような風景。
その島国に住む人々に相応しい自然。
いや、その自然がそのような人々を育てたのだろう。
なんでそんなことが分かるかというと、「浮世絵」が残っているからなのです。
この浮世絵という芸術は、日本人が持っている最大の財産の一つだと思いません?
・・・・・・っと、ここまで書いて思うんですけど、ぼくって導入部分が長すぎるなぁ~。
ここまで読む人はあまり居ない。
書こうとひらめいたのは、ここからです。
日本人が作り上げた知恵の中で素晴らしいことの一つに、「借景」っというものがあります。
島国なので、自分の庭だけでは狭いんですよね。
だから、遠くにある景色を「借り」ちゃうんですね。
この素晴らしい知恵はいつの間にか、この国から消えてしまった。
なぜって?
借景しようとするとどうなると思います。
どうなると思います?
・・・・・・・・そう。
電線が視界を遮るんですよね。
このクソ忌々しい(いまいましい)電線が、
この電線が
この電線が癌なのです。
ウソじゃないですよ。
試しに、このブログを読んでいるアナタ。
モニターから目を転じて、窓の外に目をやってみてください。
そこに何が見えます?
・・・・・・
言わなくても分かる。
そこには、電線があるでしょ?
もっと酷いケースなら、電柱に乗っかったトランスが見えるでしょ?
そうなんです。
これが、ぼくらの美しい日本を奪った癌なのです。
江戸時代に完成された日本人の美しい自然は、徹底的に痛めつけられたのです。
いま、建築デザイナーで「借景」を考慮する人がいると思います?
もう諦めているのです。
彼らは、単体で最高のデザインをしても、総合でデザインできないと知っているのです。
でも、ぼくは諦めていません。
ナゼなら、日本の自然は美しい「骨格」をまだ持っているのです。
例えば、日本アルプスを登山するバルさん。
あなたは、日本の美しさを知った。
あなたは、その美しさを知る感性を持っている。
日本の電力会社は、日本国中を電線で覆い尽くすことに成功したけれど、
まだまだ、残っている部分がある。
・・・・・・
どうです?
日本から電線を消去しましょうよ。
日本の骨格が残っている間に。
これから日本を背負う、若い人たちのためにも。
・・
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