2010年1月9日土曜日

【将に五危有り】

・・・・・・・っということで、ちょっと硬い話。

【孫子の兵法】って、スゴイんです。

中身は、純粋な兵法書、要するに戦争のマニュアルなんですね。

何度か読んだことがあるんですけど、結構【戦術】の記載も多い。

例えば、地平線に上る砂塵の形で、相手の兵力を判断するなんて、

およそ、現代戦には役立たないことなんかも書いてある。

ところが、この書のスゴイところは、【戦略】はもとより、

【哲学】にまで昇華しているところなんですね。

戦いに勝つということは負けないこと、

負けないということは生き残ること、

生き残ることを突き詰めていったら、

【どう生きればよいか】のヒントが得られるんですね。

早くからビジネスにも役立つと着目され、いろんな人が孫子の都合の良い部分を摘んで、

ビジネス書を書いているのはご存知のとおり。

性懲りも無く、何度か買わされる羽目になる。

【風林火山】とか、【戦わずして勝つ】とか、

【敵を知り己れを知らば、百戦して危うからず】なんかは、超有名ですよね。

その中で、ぼくが一番スッゲェーと思うのは、【将に五危有り】なんです。


故に将に五危有り

1.必死は殺さるべく、

2.必生は虜にさるべく、

3.忿(ふん)速は侮らるべく、

4.廉潔は辱めらるべく、

5.愛民は煩わさるべきなり

凡そこの五者は、将の過ちなり。用兵の災いなり。

軍を覆し将を殺すは、必ず五危を以てす。察せざるべからざるなり。


将軍にとっての「五危」

1.決死の覚悟でいるのは、殺される。

2.生きることばかり考えているのは、捕虜にされる。

3.気が短いのは、侮られて陥る。

4.廉潔は、辱められる。

5.兵士を愛するのは、苦労させられ、疲れる。

将軍としての過失であり、戦争をするうえで害になる。

軍隊を滅亡させて、将軍を戦死させるのは、必ずこの「五危」のためであるから、十分に注
意しなければならない。

という意味なんですがね。

簡潔明瞭、この五つ以外に思い浮かばない位に完成度が高い。

この中でも特にスゴイのは、【愛民は煩わさるべきなり】なんです。

意外じゃないですか?

兵を愛し、国民を愛するのはよくないと書かれている。

普通、愛するでしょう?

でも、戦う上ではダメだと言っている。

戦いでは、【非情な判断】が要求されると書けば、その意味はすぐ分かるでしょう。

じゃあ、孫子は国民を愛するなと教えているのでしょうか?

有名な【戦わずして勝つ】という言葉、これ以上に国民を愛している言葉があるでしょうか?

・・・・・ね? スゴイでしょ?

こういうオチは好きじゃないんですが、

【愛】を説くどこかの首相に、この部分をシッカリ勉強してもらいたいですね。





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