2010年3月25日木曜日

青木君のこと

・・・・・・・っということで、3年生の甲斐君はぼくのことなんかゼンゼン気にせず、学生運動に没頭していた。

青木君は青木君で、卒論に勤しんでいた。

ぼくの入った部屋は、別の部屋にあるようなガサツな雰囲気は全く無かった。

しっかり、新聞も取っていた。

でも、流石に酒だけは飲んだ。

新潟県出身の青木君は、酒が強かった。

井上陽水や、吉田拓郎系の曲を好んで聞いていた。

そして、水泳の名手だった。

夜中に学校のプールに忍び込んで、よく二人で泳いだ。

彼は、夏休みのアルバイトで、ライフセーバーの仕事をしていた。

25mプールを一度も息を継がずに潜水できた。

往復だったかどうかは忘れたが。

溺れた人を助けるとき、先ず口から一息入れてやることが大事だと言っていた。

それをやるかやらないかで、生存率が劇的に変わるそうだ。

もちろん、助からなかった人も救助(?)したことがあると言っていた。

前にも書いたが、彼は皆から一目置かれた存在だった。

背は高くないし、顔色も悪かった。

缶ピー(缶入りピース)を吸っていた。

人付き合いの悪いぼくをサポートしてくれた。

いまでもはっきりと彼の顔を思い出せるが、カッコ良かった。

そんな思いがけない先輩に恵まれたが、青木君も卒業して損保の会社に就職していった。

最後の飲み会のときに、ぼくのことを本気で心配してくれているのがよく分かった。

「コイツを一人で残していってダイジョーブかなぁ~~」ということが顔に書いてあった。

その前に、3年生の甲斐君は寮を出てしまっていた。

・・・・・・っということは、2年生にしてぼくはその部屋の「主」になってしまったのである。


アレレ、まだつづく。

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