2008年5月23日金曜日

他山の石ってぇやつ

・・・・・・・っということで、久しぶりに仕事について書いてみようという気になりました。
先に言っておきますが、ツマラナイです。
絶対後悔しますから、読まずに、パスする事をオススメします。

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このあいだテレビを観ていて、最近急激に伸びているビジネスの特集をやっていました。
分野としては、バイオ関係というのでしょう。
最近になって急速に需要が伸び、作るのが間に合わず、工場をどんどん拡張していると報道していました。

それを観て、ハタと思い当たる会社がありました。
そうですね、3~4年前だったか、その会社はこれと全く同じビジネスモデルを検討していたのです。
製造業であるその会社は、工場をいくつか持っています。
業界では、トップクラスですね。
しかし、価格競争が激しくなるのと同時に、市場が急速に縮小してきている業界だったのです。
次の手を打たなければ、会社の存続そのものが危ぶまれていたというわけです。
そこで、その会社は社内に対して、次のビジネスプランのアイデアを募集した。
いいアイデアには、賞金まで付けるという気合の入れ方でした。

何十と集まった応募の一つに、このバイオ関連のビジネスプランがあり、みごと第一位を獲得しました。
提案した社員は、会社に入ってから、色々な資格をどんどん取っていきました。
もちろん、会社から給料を貰いながら。
技術士の資格はもちろんの事、ついには大学で経営学の博士号まで取得させてもらいました。
その彼が提案したビジネスモデルなので、相当立派な企画書だったはずです。
ですから、一位になったことは当然のことといえるのですが。

しかし、結果は不採用。
結局、大々的に行った社内キャンペーンは、お祭り騒ぎでしかありませんでした。
何の成果も出せず、無駄な時間と費用を浪費し、無力感だけが残りました。

私はそのことを知っていて、思い出したわけです。
興味があったので、その会社の知人に電話をかけ、その時の企画書が手に入らないかと訊ねたところ、二つ返事でOKを貰いました。
もう見たくもないということで、メールでそのときの企画書をすべて送ってきてくれました。
まあ、ナイショでですが。
担当者は、忸怩たる思いがあったのは容易に想像がつきます。

サラッと内容を読んだのですが、3~4年前にもかかわらず、現在の需要をバッチリ予想してありました。
まあ、見事に分析されていました。

当時の必要投資額は、たったの1億円。
保有する工場、敷地、社員の技量を用いれば、この程度の投資で間に合ったのです。
当然リスクの分析もされているのですが、そのまま投資していれば、今頃その会社の主力商品になっていたことでしょう。
年間売り上げは、少なく見積もっても数十億円。
歴史に「if」はありませんが、その会社はバラ色の未来を描けたはずです。

・・・・・・・っで、その後どうなったか。
その会社は、3期連続赤字。
特に、前期の決算は悲惨なもので、数十億円の経常赤字を計上しました。
今期は、人的にも、設備的にも本格的なリストラの実行が待ったナシとなっています。

そして、その企画書を書いた博士君は、それボツになった後しばらくして会社を辞めて、某公立大学の教授に納まりました。
最近、ビジネスプランに関する本を出版し、ベストセラーになっています。
今でも、書店で平積みになっているのを見かけます。
彼の最終目的である、経営コンサルタントに収まる確率は、相当高いといえるでしょう。
ちゃっかり会社を踏み台にして、ステップアップしていったというわけです。


・・・・・・・っで、このことからどんな教訓が得られるでしょう。

その会社は、このままでは将来は悲観的であることを認識していた。
そして、それに対して手を打つべきタイミングも間違っていなかった。
提案できる人材も育てていた。
アイデアを発掘できたという運も持っていた。

私は、何で企画が通らなかったかを聞いてみた。
返事はただ一言。
「当時の経営者が企画書を判断する目を持っていなかったのでしょうねぇ~。」

そりゃそうですよ。
提案された事業が、現在やっている分野と全く異質で、だれも判断するだけの知識も経験も持っていないのですから。

もう、その時の社長は交代していますが、その会社の本質は何も変わっていない。
その会社は、以前にも社員の提案に基づいて、新規製品を販売し始めたのですが、社内の他部門からの妨害で、潰してしまった事があるのです。
要するに、妬みってぇやつですね。

その会社は、いまも新規事業企画室というものを設立して、専属要員を貼り付けているそうですが、成果は何も上がらないでしょう。
なぜなら、社員が「いくら提案しても、結局は採用されない。採用されても潰される。」という事実を、見せ付けられてしまったのですから。

以上、結果からのみ見ています。
いかに経営者の判断力が大事か。
いかにそれが、将来を劇的に変えるものなのかということだけ教訓にしてください。
要するに「他山の石」ってぇやつですね。

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