2008年7月21日月曜日

フィットネスインストラクターの憂鬱

・・・・・・っということで、必ず生じるジレンマについて考えてみた。

(エアロビクス)インストラクターという職業は、教育者と似ているようで、微妙に違う。

昔々、私もある種のインストラクターをしていたが、教えるところの目標は、生徒が基礎的な知
識を持ち、スキルをマスターし、それを応用できる形にして送り出すことであった。
平たく言えば、国家試験に合格するレベルまで教育するということ。
人を教えるという行為については、全く同じである。

だが、エアロビクスインストラクターは知識を付与すること自体は目的とされていない。
確かに、エアロビクスには理論があり、基本パターンはあり、その知識を身につけていなければ
インストラクターにはなれない。
受ける側の生徒も知っていたほうが覚えやすいが、知識そのものは求めていない。
求めていることは、「上手く動けるようになること」。この一点である。
上手く動ければ、「楽しい」からである。

さて、「上手く動けるように」生徒を指導するには教育理論があるはずだが、残念ながら、エア
ロビクスの場合はそこまで成熟していないことが分かった。
勢い、インストラクター個人の教える「力量」が重要な意味を持ってくる。

簡単に「力量」と書いてしまったが、その中には:
頭のよさ。
ルックスのよさ。
声のよさ。
性格のよさ。
体力。
ユーモアのセンス。
情熱。
もちろん、運動能力の高さ。
・・・・・などが含まれる。

インストラクターも人間なので、自分のクラスの人気を気にしない人は居ないはずだ。
ハッキリいって、インストラクターは「人気商売」である。

・・・・・・っと、ここまでが前段である。

まとめれば、生徒は「上手く動けるようになること」をインストラクターに求めていて、その成
果はインストラクター個人の「力量」にかかっていて、出来なければ「人気」がなくなるという
ことである。

・・・・・・っで、ジレンマである。

この際、教え方はヘタだが、「可愛いから、まッ!!イイヤ~」というインストラクターは除外
する。

「上手く動けるように」するためには、動きをディスプレイ(展示)して、生徒を上手にリード
する必要がある。
外から見れば、インストラクターの仕事はこれだけである。

問題なのは、人間が覚えるためには繰り返しが必要なことである。
絶対に必要なのである。

どんな、ドンクサイ人でも、イヤというほど繰り返せば誰でも出来るようになる。
だが、個人レッスンじゃないんですね。
レベルごとに細かくクラス分けしていれば、その問題も最小限になるのだが・・・・・。

「インストラクターの設定するレベル」vs「生徒のレベル」vs「時間」のせめぎ合いの中から「満足感」=「上手く動けるようになること」という答えを導き出さなければならない。
これが、インストラクターが必ず直面するジレンマの元である。

・・・・・っと、当たり前のことを書いてきたが、考えを整理するのに必要なプロセスとして、辛抱してください。

このジレンマを乗り越えるためには、インストラクター個人の「力量」しかないというのが、今回の結論。

ナァ~んだ、っという声が聞こえるが、それしか答えが見つからない。

生徒としての、私の意見を言うと:
「インストラクターの設定するレベル」>「生徒のレベル」であること。
そして、「教える時間」<「繰り返す時間」であること。
こういう考え方は、出来ない人を切り捨てることに繋がる。
問題は切り捨てる人の数ですが、30%程度だと思っている。
いけないのは、切り捨てることを考えずに100%を目指し、教える時間を多く取ってしまうこと。その結果、「上手く動けるようになった」という達成感が得られないまま、不完全燃焼に終わること。

以上、先日、Y嬢のクラスで感じたことを元に、考えたことです。

そのとき、私はY嬢に言うつもりでいた。他のクラスはもう少しレベル設定が高いと、最後の繰り返しに多く時間を割いて欲しいと。

だが、これらはインストラクターが自分で気が付かなければならないこと。
気付かなければ、参加者は見る見る減っていってしまう。
この現実を、身をもって体験することが必要なのでしょう。

そして、このまま人気のないインストラクターで終わってしまうのか。
壁を乗り越えて、一皮剥けたインストラクターになるのは、彼女ら(彼ら)の問題なのです。

こう、考えていくと、インストラクターって、ホントーに難しい商売ですね。

0 件のコメント:

にほんブログ村 健康ブログ フィットネスへ