・・・・・・・っということで、沖縄が返還されたのは、1972年5月15日だ。
ぼくが沖縄を最初に訪れたのが、1974年だったと思う。
その頃はまだ自動車は右側通行だった。
ぼくの沖縄初体験は、那覇港だった。
その頃は、ベトナム戦争の最中であり、船の丸窓(スカッツル)から大砲が船に積まれているのを目撃した。
そんな光景がぼくの沖縄の原点だ。
沖縄には方言があって、分からないと言われた。
確かに、おばあちゃんの話す言葉は分からなかった。
でも、若い人たちはちゃんとぼくらに分かる言葉を話してくれた。
そのときの印象は、
・・・・・・みんな親切だった。
初めての土地なので、観光バスに乗った。
参加者が予定より若干多く、バスが1台のところを、臨時に2台出すことになった。
ぼくが乗ったのはその2台目のバスで、最前列に座った。
1台目のバスは満席だったけれど、2台目のバスには乗客が少なかった。
なんと、バスガイドが美人だった。
ウットリするくらい、美人だった。
最前列のぼくは彼女を独り占め状態だった。
1台目のバスに乗った乗客が、2台目に移りたいと抗議したが、却下された。
・・・・・・
ぼくは、彼女に恋をしてしまった。
観光スポットを巡る途中で、イロイロ彼女と会話した。
・・・・・・
船に戻って、夕暮れの中、デッキに上って遠くに見える那覇の市内を眺めながら、ため息をついた。
もう一泊滞在が伸びたら、ぼくは彼女の勤める観光バスの会社に押しかけて、想いを告白しただろう。
翌朝、船は岸壁を離れ、見送りに来た誰とも分からない人々に向って、ぼくは手を振った。
遠ざかる沖縄の町並みを、手すりにもたれながらいつまでも、いつまでも見送った。
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