2010年5月7日金曜日

夫婦の形(その10)

・・・・・・・っということで、キリのいい10話まで無理して書くことにした。

A子は今のダンナと結婚する前、友人のB子から言われた、

【血液△型の男は「語る」でしょ?】

A子はその通りだと思った。

結婚相手は△型の男だったから。

確かに「語る」な、いろいろなことを。

彼はA子の知らないことを色々と話してくれた。

考え方も、ずっと大人だと思った。

結婚を決意したのも、彼のそんなところに惹かれたからである。

「この人なら一生ついていける」・・・っと。

だが、結婚後はだんだん彼の人間としての底が浅いことが分かってきた。

彼の「かたる」は結局、「騙る」に近かったなぁ~とおもうようになった。

語るけれど、

根(ね)は悪くない人だということは救いだった。

・・・・・・

銀婚式も過ぎ、夫は語るどころか、もう滅多に口を利かなくなってしまった。

夫は期待していたほど、出世しなかった。

絵に描いたような平凡な男になってしまった。

最近では、お互いが「空気」のような存在になってしまった。

・・・・・・

酔っ払って帰った夫の寝顔を見ながら、

A子はつくづく思うのである、

「平凡だったけれど、

幸せだった・・・・・・

・・・・・かもねぇ~~」


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