2010年5月6日木曜日

夫婦の形(その9)

・・・・・・・っということで、夫婦の形その9。

今回もハッピーエンドじゃあなさそう。

彼の奥さんを初めて見たのは、職場でバーベキューに行ったときである。

彼はキャンプに凝っていて、大きな4WDの車まで持っていた。

小学生の女の子がいて、とても仲の良い夫婦に見えた。

奥さんは小柄な人で、ちょっと神経質そうな感じだった。

奥さんの父親は田舎の県議会議員で、地方の名士だった。

結婚式は盛大だったそうだ。

彼は仕事が出来る優秀な社員だったが、ちょっと理屈っぽいのが欠点だった。

娘は大事に育てられ、いろいろな習い事をしていたが、

奥さんは特にバレエに力を入れていた。

・・・・・

彼とは別の部署になり、しばらくして離婚したことを知った。

いちど飲もうということになって、彼から話を聞いた。

彼の言い分によると、奥さんは地味な生活に耐えられなかったのだという。

主婦として家庭内に納まるよりも、もっと自分の才能を試したかったのだそうだ。

何かファッションの店を出す準備中とのこと。

娘さんは奥さんが引き取った。

今だから言うけど、キャンプを好むようなタイプじゃなかったなぁとぼくは言った。

・・・・・

お互い酔いが回ってかなり本音も言ったが、彼の離婚原因を分析する理屈っぽさは変わらなかった。

ぼくは、最後に今回の破綻の根本的原因を彼にアドバイスしてやった。

「あのなぁ~、奥さんが一日の出来事を話しているときはなぁ~

黙って聞いているフリをしていりゃイイんだ。

オマエみたいなぁ~

いちいち反論したり、意見を加えちゃいけないんだ。

今度結婚するときは、そこんところに気をつけるんだぞ。」

・・・・・・

程なく彼は、ぼくの知っている女性と再婚し、女の子を儲けた。

彼がぼくのアドバイスを守っていないのは分かっているが、今度は上手く行くような気がする。

なぜなら、ぼくは彼女の性格を良く知っているからだ。

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