2010年4月28日水曜日

夫婦の形(その4)

・・・・・・・っということで、夫婦の形(その4)

その男女は大学で知り合い、お互いの両親も認める許婚(いいなずけ)同士だった。

女性がアメリカに語学留学したときも、男が後から追いかけて行ったくらい仲が良かった。

男は帰国して就職し、女性はそのままアメリカに留まった。

しばらくして、男の元に女性から手紙が届き、留学先で別の日本人男性と結婚したことを知らされた。

相手は、お金持ちのお坊ちゃまだった。

・・・・・・

男はその後、ずっと独身のままだった。

お見合いの話が来ても、全て断っていた。

30歳の半ばを過ぎて、会社の者たちはようやく彼が結婚したことを知らされた。

相手は、あの彼女だった。

彼は、彼女が離婚する可能性を信じ、ずっと待っていたのだ。

・・・・・・

二人の間には、子供が授からなかった。

50歳近くになって、奥さんがNPO活動にのめり込むようになった。

フィリピンで日本人男性が現地で産ませた子供達を、逃げ帰ってきた男どもに認知させるという活動だ。

殆ど無給どころか、こちらから持ち出しの、ボランティアのような活動だ。

夫を日本に置き去りにして、その女性はもう半年もマニラで奉仕活動に没頭している。

彼女の母親は、申し訳なさそうに彼に言った:

「あの子はねぇ、昔から、男の子のような性格なのよ」

・・・・・・

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