2010年4月18日日曜日

現代の戦争

・・・・・・・っということで、いま【Big Boy Rules】という本を読んでいる。

日本の題名は「戦場の掟」という、なんとも薄っぺらい印象を与えるが、

2008年度のピューリツァー賞を受賞した本だと、帯に書いていたので手に取った。

内容は現代の「傭兵」の実態で、イラクで軍に代わる「民間警備会社」のドキュメンタリーである。

ぼくが若い頃に仕事をしていたイラクのバスラ近辺のことが書いてあるので、読みながら風景を思い出すことが出来る。

いま、イラクやアフガニスタンには正規軍とともに、こういった警備会社の「武装した民間人」が多数活動している。

武装した民間人とは、元特殊部隊員であったり、元警官であったり、はたまた現役の(?)犯罪者だったりする人たちのことである。

簡単に言えば、【傭兵】なのである。

現ナマのために命を張るといえば、冒険野郎みたいな印象かもしれないが、借金苦だとか、学費稼ぎだとか、仕事にあぶれてなど、格好のいいものではない。

中には、単に人を殺したいなんていう動機の者もいる。

この辺の描写は、大体予想が付いていたのだが、何で軍以外の民間人たちが軍に代わって活動する需要が出てきたかという、その理由について知りたかったのである。

「現代の戦争」というものが、「いままでの戦争」と全く別物になってしまったことに驚かされる。

題名の「Big Boy」とは、「強者」という意味であり、暗に「米国」のことを指している。

まだ読みかけなので書評は書けないが、民間警備会社の需要について次の文がとても参考になった。

戦死した兵士の母親に向って、「貴女の息子さんは、イラクの高官が集まる会議に出すフラッペチーノを輸送する途中に戦死したんですなんて言えますか?」・・・っというもの。

軍は正規の作戦に従事すれば良い訳で、物資輸送や要人の護衛任務は、民間警備会社に任せるべきだという考え方である。

かくして、イラクの法律に規制されない、かつ、軍の規律にも従う必要もない「武装した民間人」が、イラク国内で銃をぶっ放しているのである。

そして、彼等も多くの犠牲を出している。

しかしそれは、「戦死者」の数字には表れないのである。

これが、アメリカの行っている「現代の戦争」の実態なのである。





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