・・・・・・・っということで、夫婦の形(その3)
その男は、ある世界では名門といわれる家系であった。
当然のように、才媛を妻として迎えた。
とても綺麗な人で、夫の風貌にはもったいないくらいの女性だった。
仕事上でちょっとした事故を起こし、彼は困難な立場に追い込まれたことがある。
そんな中でも、奥さんは夫に良く尽くし、陰で家庭を支えた。
傍目には、とても仲がいい夫婦に見えた。
ところが、なかなか子供に恵まれなかった。
医者に診てもらったが、どっちが原因か判らなかった。
それでも、奥さんは不妊治療を何度か受けさせられた。
もちろん夫の両親から、暗黙の、時には露骨なプレッシャーを受けるようになった。
奥さんは、「そこまでしたくない」と治療を途中で放棄した。
程なく、二人は離婚してしまった。
離婚後まもなく、その男は両親が紹介した女性と再婚した。
今度は、ちょっと軽いノリの適齢期を過ぎた女性だった。
すぐに男の子が生まれた。
その男は言った。
「ネッ!ぼくが原因じゃなかったでしょ?」
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