2010年7月10日土曜日

修羅場

・・・・・・・っということで、一昨日だったか、TVでショッキングな映像を見た。

イラクでの事件なんだけれど、1km離れたアパッチ攻撃ヘリコプタから、チェーンガンで民間人を殺す映像。

手ぶらのイラク人男性6~7人の集団が、日中ブラブラ街角を歩いているわけ。

ロケット砲(RPG)を持っているから、攻撃許可を本部に求めるわけ。

映像からは、ロケット砲どころか武器なんか誰も持っちゃいないのがハッキリ分かるのに。

ちなみにRPGの射程は700~800mで、精度はムチャクチャ悪く照準器でも300m以内でなければ合わすことも出来ない。

1km先を飛行中のヘリを撃墜するなんか到底不可能。

要するに、安全なところにいる米軍機が、何ら脅威とならない民間人を攻撃したってわけ。

交信音声からは、もう撃ちたくってしょうがないのが伝わってくる。

もちろんイラク人たちは、ヘリから狙われていることも、ヘリが飛んでいることさえも気付いていない。

攻撃許可と共に、タタタタッというチェーンガンの発射音。

男達は、まだ気付かない。

着弾するまでの時間のズレ。

その時間のズレが悲しい。

M230チェーンガンは、30mm×173mm弾を使用、625発/分(±25)の発射レートを持つ。

一瞬で土埃が立ち上り、崩れ落ちる男達。

全くの不意打ちだ。

重傷の男が一人、這いながら物陰に隠れようとするが、もう動けない。

ヘリの射手はトドメを刺したくて、武器を手にしろと煽る。

武器なんてもともと持っちゃいないのに。

しばらくすると、黒いバンが負傷者を助けようと現場に急行する。

攻撃ヘリのパイロットは、負傷者と武器を回収に来たのだといって、さらにバンに対しても攻撃許可を求める。

もともと、武器なんて持っちゃいないのに。

ドライバーと同乗者の男が、バンから降りて負傷者を抱え上げる。

そこに、また、あの悲しい時間のズレである。

黒いバンは、まさしく蜂の巣になる。

攻撃の間中、はしゃぎまくる射手とパイロットの会話が聞こえる。

しばらくしてアメリカ軍の地上部隊が、死体の散乱した現場に到着する。

なんとバンには子供二人も乗っていたのだ。

それを聞いたヘリの搭乗員は、「こんな戦場に子供を連れてくるほうが悪い」と毒づくのである。

アメリカ兵の一人が、瀕死の子供をバンから抱え上げ、走る。

この攻撃で、11人の民間人が殺された。

以上が、TVで放送された内容である。

番組では、コクピット内で発せられた交信記録に焦点が移った。

「まるでゲーム感覚で人を殺している」と。

ぼくが驚いたのは、殺人現場をゴールデンタイムにTVで放送したことだ。

それでも、大幅に編集してあるはずだ。

映像は、確かにゲームのCGと同じように見えるが、人の表情までは判明できない。

全体的に白っぽく、鮮明な映像ではない。

だけれども、想像を働かせて欲しい。

先ほど挙げた「30mm×173mm弾、625発/分(±25)の発射レート」という情報を基に。

30mmとは弾丸の直径である。(でかいピストルの45口径でも、11.4mmね。)

625発/分とは、1秒間に10発以上の数である。

これが生身の人間に当たったら、どうなるかを想像して欲しい。

バラバラである。

一面真っ赤な血の海である。

手足はもちろん、内臓も、脳漿も・・・。

悲鳴と、うめき声と、静寂と・・・。

映像に映らない現実とは・・・。

そういう想像が出来なくなるほど、感情を麻痺させたくはないと願う。


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