・・・・・・・っということで、
「わんあん つうあん すりーえん ほー
はぁ~いぶ せっくす せぇ~ぶん えいと・・・っと。」
「おう!ごめんよ」
「よう、八っつぁん、また来たか。」
「源さん変な経文あげてるなぁ」
「これはお経じゃなくて、【空想動作確認】=【いめぇーじとれぇにんぐ】
といってな、頭の中で踊りの手順を確認しているんだ。」
「なんの踊りでぇ?」
「【尻跳躍踊り】だ。」
「【尻跳躍踊り】ぃ~~?」
「【ひっぷほっぷ】といってな、
【米国式路地裏踊り】=【すとりーとだんす】の一種だ。」
「おれ知ってるよ。
さいしょっから【ひっぷほっぷ】って言ってくれれば分かったんだ。」
「へぇ~~八っつぁんが【ひっぷほっぷ】を知っているとは意外だな。」
「だっておれ出たもん。」
「出たぁ?」
「昨日なぁ、例の【運動結社】=【フィットネスクラブ】に
木戸銭払って入ってみたんだ。」
「ははぁ、体験入会だな。」
「入るなり、もぎりの姉ちゃんに
【ぶい字大また開き】に【まんに棒】の出し物はどこでやっているか
・・・って聞いたんだ。」
「おめぇは結局誤解したまんまだったんだな。」
「そしたら、そんなものやっていませんだと。」
「たしかに【結社構成員】=【くらぶめんばー】の源さんから
そういう舞台があると聞いたんだと食い下がったんだが、
とりつくしまもねぇ~んだ。」
「ははぁ~、八っつぁんがしきりに台の上と確認していたのは舞台のことだと思ったんだ。」
「面白くねぇ~んで、【道場】を覗いて回ったんだ。」
「【すたじお】のことだな。」
「そしたら、丁度その【ひっぷほっぷ】の出し物があって、
その【運動師範】=【いんすとらくたぁ】がとびきりの美人ときている。
そりゃぁ参加しない手はないってもんだな。」
「それでどうだった?」
「蓄音機から【河内音頭】が流れていてな、それに合わせて踊るんだ。」
「【河内音頭】? ああ【らっぷ】のことだな。」
「おれはそもそも盆踊りが得意だから、調子に乗ってやっていたんだ。」
「ほう、八っつぁんにそんな才能があるとは知らなんだなぁ」
「そしたら、一杯ひっかけていたもんだから、足がもつれて転んだんだ。」
「一杯ひっかけていたって?」
「そしたら【運動師範】がすっ飛んできて、酒おびの人は参加禁止だって言うんだ。」
「あったりめぇ~だろう。そりゃ【いんすとらくたぁ】に失礼にあたるってぇもんだ。」
「それで、襟を掴まれて、【道場】からつまみ出されたんだ。」
「もう二度とするんじゃぁねえぞ。」
・・・・・・
「面白くねぇから、他の道場も覗いてみたんだ。
すると、【印度ひねり】」
「【よが】だな。」
「【南米式猿踊り】」
「【さるさ】だな。」
「【南米式えろびくす】」
「【らてんえあろ】だな。」
「【中東式腰振り踊り】」
「【べりーだんす】だな。」
「わかんねーのが【肉体揚水器】というもんだが、ありゃいったいなんだい?」
「たぶん【ぼでぃぱんぷ】のことだな。」
「どれもこれも、ちっともえろくないから、風呂に入ることにしたんだ。」
「そうだな、風呂に入ったなら、木戸銭の元を取った気分になるな。」
「ありゃいいもんだな【泡風呂】」
「【じゃぐじぃ】だな。気持ちのいいもんだろう?」
「きもちがいいったらねーな、ありゃ。
いくら屁ぇこいてもだれにも気付かれねえ。」
「こらこら」
「それとたまげたのが風呂のでかさだっ!!
おれは生まれてこの方あんなでかい浴槽を見たことはネーな。」
「そうかい?そんなにでかかったかい?」
「でもぬるすぎだな、ありゃ。こっちは江戸っ子だってぇんだ。
あっちっちの湯じゃなきゃ駄目だな。
いくら、【省活力】=【省えね】の時代だからといっても、ありゃぬるすぎだ。」
「そうかい、そんなにぬるかったかい?」
「ぬるかったけど、混浴とは洒落てるな。」
「混浴???」
「おれの持ち物はそんなに立派じゃぁねぇ~けど、女どもがきゃーきゃー騒ぐんだ。」
「ひょっとして、八っつぁんが入ったのは
【遊泳浴槽】=【ぷーる】の方じゃないんかい?」
「・・・・・・」
「八っつぁん、あんたまさか素っ裸で入ったんじゃないだろうね?」
「馬鹿言っちゃいけねーよ。この世の中に、風呂入るのに着物を着て入るやつがあるかってぇんだ。」
・・・・・・
おあとがよろしいようで。
//
0 件のコメント:
コメントを投稿