・・・・・・・・っということで、秋である。
今夜は台風が過ぎた後だからだろうか、秋らしい夜である。
空気が乾燥して、涼しい。
虫の音が聞こえる。
静かだ。
いつもより、静かな夜だ。
はるか遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。
遠くで聞こえていたと思ったら、だんだん近づき、また去っていった。
去っていったあとは、さらに静けさが深くなったような気がする。
・・・・・・・・・・・・また、虫の声だけになった。
高架を走る電車の音かすかに聞こえ、右から左に過ぎてゆくのがわかる。
その音から、殆ど乗客は乗っていないなあと勝手に想像する。
・・・・・・・・・・・・・それにしても静かだ。
住宅街とはいえ、都心である。
耳を澄ましていると、ふと気付いたことがある。
生活の音が聞こえないのである。
バイクとか、車が走る音はときたま聞こえるが、生活の音がない。
例えば、夕食の支度をする音、子供たちが走り回って発する嬌声、赤ん坊がぐずる泣き声、母親が子供を叱るヒステリックな声。
物売りの声、おばさんたちのだみ声、犬の吠える声、下駄の足音・・・・・・。
こんな昔聞こえていたはずの音は、単なる思い込みで、昔も今も変わらないのかも知れない。
でも、なにか静かすぎる。
まるで、みんなが息をひそめて生活しているような気がする。
冷静に考えれば、昔の家に比べ、空調が効いた遮音性の高い家になったのが、
生活音が聞こえない原因なのだろうが・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・
それにしても、静かな夜である。
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