2008年9月20日土曜日

秋の夜長

・・・・・・・・っということで、秋である。

今夜は台風が過ぎた後だからだろうか、秋らしい夜である。

空気が乾燥して、涼しい。

虫の音が聞こえる。

静かだ。

いつもより、静かな夜だ。

はるか遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。

遠くで聞こえていたと思ったら、だんだん近づき、また去っていった。

去っていったあとは、さらに静けさが深くなったような気がする。

・・・・・・・・・・・・また、虫の声だけになった。

高架を走る電車の音かすかに聞こえ、右から左に過ぎてゆくのがわかる。

その音から、殆ど乗客は乗っていないなあと勝手に想像する。

・・・・・・・・・・・・・それにしても静かだ。

住宅街とはいえ、都心である。

耳を澄ましていると、ふと気付いたことがある。

生活の音が聞こえないのである。

バイクとか、車が走る音はときたま聞こえるが、生活の音がない。

例えば、夕食の支度をする音、子供たちが走り回って発する嬌声、赤ん坊がぐずる泣き声、母親が子供を叱るヒステリックな声。

物売りの声、おばさんたちのだみ声、犬の吠える声、下駄の足音・・・・・・。

こんな昔聞こえていたはずの音は、単なる思い込みで、昔も今も変わらないのかも知れない。

でも、なにか静かすぎる。

まるで、みんなが息をひそめて生活しているような気がする。

冷静に考えれば、昔の家に比べ、空調が効いた遮音性の高い家になったのが、
生活音が聞こえない原因なのだろうが・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・

それにしても、静かな夜である。

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