・・・・・・・・っということで、自分でも情けなくなるほど不器用だ。
恋愛事に関しては。
そのテレックス事件の後、A嬢からのアタックがものすごかった。
毎日のように、ラブレターをもらった。
やはり日本人とは違う血が流れているせいだからだろうか。
その情熱の激しさは、とても日本人女性の比ではなかった。
男というものは弱いもので、一方的な好意でも、受ければ悪い気はしないものである。
それに、彼女と話すのはとても楽しかった。
どんな話題にも付いてくる。
芸術に対する造詣も深いし、くだらないギャグに対する反応も敏感であった。
ついでに、酒も強かった。
私と6歳も歳が離れているのに、なんでこんなに知識が豊富なのか、いまから思えば一種の天才だったのだろう。
最初は、共通の友人であるI君を間に挟んで、遊びまわっていたが、そのうち二人だけで会うことも多くなった。
それはそれ、男女の間である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
繰り返すが、男というものは弱いものである。
そういうことで、事務所の中の勢力図(?)は、何となくF君=T嬢、FirstLight=A嬢でまとまってきた。
残るはK嬢だが、さすがプレイボーイのM君、その辺の臭覚は見事で、あっさりK嬢をかっさらっていった。
外見上は、これで安定しているように見えるが、T嬢⇔FirstLightの関係が不安定要素として残っていた。
その話題に移る前に、M君=K嬢の顛末を、先にサラッと書いておこう。
M君はこの会社に納まるようなタマではなく、エジプト出張の帰り、たまたま飛行機で座席が隣り合わせになったS社(超優良企業)の重役に気に入られ、あっさりそちらに転職してしまった。
残されたK嬢は、まもなく会社を辞めてしまった。
寿退社でもなく、とくに辞める理由もなく。
ついでに、あぶれていた独身男性の牛の字だが、香港駐在のとき、日本人女性と知り合い、女児を儲けて帰国した。
さて、核心の(?)A嬢との関係だが、私の心の片隅には、「こりゃヤバイ」という気持ちが常にあった。
我ながら正直だナァ~。
あまりにも激しすぎるのである、彼女の気性が。
だが、一方、このような彼女を受け入れられる男は私くらいしかいないだろうなぁ~っとの確信も持っていた。
私は鈍感で、私が事務所に復帰する前、I君とA嬢はかなり深く付き合っていたことに気付いたのは、だいぶ後になってからだった。
I君は不思議なヤツで、今で言う「オタク」である。
何でも、ウンチクを語ることが出来る。
しかし、車のことはやたら詳しく知っているくせに、運転免許を持っていなかったりする。
英語が抜群に上手く、いまでも英語でメシを食っている。
彼と、A嬢と私の三人で、彼の親父さんが持っている箱根の別荘なんかにも、よく遊びに行った。
不思議な関係ですよね。
何かの折、彼が「(私がした)今のようなA嬢への対応は、僕には出来ないなァ~」っと、フト漏らしたことが印象に残っている。
彼は私と違って、彼女を愛していたのだと思う。
ただ、彼の手に負えなかったのだ。
じゃあ、私は彼女のことをどう思っていたのか。
正直に言うと、愛ではなかった。
彼女は、私にその言葉を何度か言わせようとした。
その都度、私は「アナタのファンです。それも、大ファンです。」っと、ずるい答えをした。
でも、それは正直な答えだった。
彼女の持つ激しい気性を警戒しながらも、そういう彼女が好きだったのである。
コレも何かの折、I君が「ホントーは彼女は孤独なんですよ。」と言ったことがあるが、それは本当だと思った。
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アリャリャ、こんなこと書いていてイイのかな?
・・・・・・つづく。
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