2008年8月27日水曜日

人望

・・・・・・・・っということで、定年退職になったT先輩の送別会をした。

私がこの会社に入ったときに、最初に世話になった人だ。
不思議な人だった。
会社人生の2/3は海外で生活していたことになる。

コアラのような顔で、髪の毛は薄いのに、女性によくモテた。
奥さんは、美人でよく出来た人だ。

マージャンが好き、タバコが好き、女性が好き、読書が好き、海外を放浪するのが大好き。
なのに、酒は一滴も飲めない。

日本人には珍しく、「大陸的」な性格の持ち主だった。

仕事は手堅く、どんな困難なことでも安心して任せられる。

そのくせ、出世欲は一切ない人だった。

一言でいえば「人望」があった。

今日の送別会も、社長の主催だ。

彼は私のよき理解者だった。

一匹狼のような私の生き方を、唯一分かってくれていた。

送別会がお開きとなり、最後に彼と二人きりになった。

「もう会うことがないような気がします。お元気で。」
・・・・っと言って、握手をした。
硬い握手だった。

彼とは、これが最後のような気がした。
間違いなく、これが最後だろう。

そういう男だ、彼は。

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