・・・・・・っということで、電車の中では読書していることが多い。
今朝、隣に座っていた人が降りて空いた席に、着膨れした若造がドカッと腰を下ろした。
腰の下ろし方で、その人物の「人間的な質」がほぼ100%判る。
動作を観察しているだけで、その人物の化けの皮が剥がれるのだから、怖いことである。
今日の若造は座るなり、腕を押し付けてきた上、足をバカッと開き、ご丁寧にも漫画本を開いた。
その漫画本とは、粗雑な紙で出来ており、小学生クラスが対象の、漢字の全部にルビが振ってある代物である。
ところどころ、半裸の女性が描かれている。
車内でこういうジャンルの本を堂々と開いている大人をよく見かけるが、気が知れない。
しかも、ネクタイを締めたサラリーマン諸氏がである。
そのとき私が読んでいたのは、400ページにならんとする、ハードカバーの本である。
言っちゃ悪いが、知的な本である。
試しに、隣の紳士が読んでいるマンガ本の位置まで下げ、両方の本を並べてみた。
こんなことをしても、恥じる輩ではないことは百も承知だが。
・・・・・・
隣の人物も一票。
私のも一票。
民主主義を支える、投票権の話である。
ここに、民主主義の最大の欠点がある。
どこかの国の総理大臣が、漫画を読むのが大好きだと公言した。
公言だけではなく、本当に漫画を読んでいると知って唖然としたのだが。
民主主義国家が民主的に繁栄するには、対立軸を必要とする。
昔の冷戦が終わったと思ったら、対テロ戦争に突っ走った米国を見れば分かることである。
そうしないと、民衆が劣化するのである。
ダレ切った日本の社会を見れば分かることである。
民主主義を支えるのは、良質な民衆があることが前提である。
大勢の人が乗った電車の中で、低俗な漫画本を開いて、恥とも思わない大人が増えるのを目撃して、これを日本社会の劣化と言わずしてなんと言うのか。
緊張感のない民主主義が、ポピュリズムに流れるのは仕方のないことかも知れない。
だが、隣に座ったような若造の票欲しさに漫画を読んでいることを公言したり、キャラが立っていると発言する、総理大臣を戴く日本って・・・・・・
end.
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