・・・・・・っということで、今回の出張で感じたこと。
「日本はいい国だなァ~」・・・・・・ってこと。
何を今更といわれるかも知れないが、久しぶりに中近東のチグハグな現状を見て、強く自覚したというわけです。
アラブ社会は、何かを発信しようともがいている気がした。
以前は西洋文明をはるかに凌ぐ、科学、美術、文化を持っていたのはご存知のとおり。
しばらく、キリスト教社会と互角の戦いを繰り広げてきたが、今ではかなりの差をつけられてしまったことは、彼等も認めざるを得ないだろう。
さらに、過激なイスラム原理主義者たちのおかげで、アラブ=テロリストという図式が世界中に刷り込まれてしまった。
とても不幸なことである。
彼等が過激な行動に走るのも、根底にこのアラブ社会が取り残されたという焦りがあると思う。
彼等が彼等の独自性を発信しようと思うと、原油収入による「マネーパワー」に頼る以外、ないように思える。
これも、とても不幸なことだ。
マネーパワーを使うといっても、今回の国のように人々を驚かせるような、奇抜な建物を短期間で造る方向に行ってしまうと、逆にますます軽蔑される結果となってしまう。
アラブ社会はいまとても悲しいと書いたのは、こういうことである。
彼等が何かを発信しようとしても、発信するものが不明確な上、手段がないのだ。
もう一つ目が向いたのは、建設ラッシュに引かれて、色々な国から出稼ぎに来た人たちである。
彼等も、悲しい。
相当悲しい。
自国では生きることさえままならない。
何かを発信するどころの話しではない。
そりゃ、誰だって自分の国で仕事をしたいだろう。
今回会った人たち(タクシードライバーや、ホテルのボーイだけど)、この国に住み続けたいという人は皆無だった。
お金に引き付けられてきただけだからだ。
それでも、劣悪な環境の中で何年も耐え忍ぶのである。
・・・・・・っと、ここまで書いて、日本との比較である。
最初に、「日本はいい国だなァ~」と感じた理由が分かってもらえると思う。
さて、じゃあ、日本は何を発信しているのだろう?
実は、発信できる国は世界に少ないのです。
発信というと、凄く漠然とした言い方だとは分かっています。
でも、発信の内容を今細かく書くことは、あえて避けます。
皆さんに、日本は発信していると言っても、ピンとこないでしょう。
すっごく漠然とした言い方ですが、私の考えはこうです。
一言で言えば、日本人らしさ。
日本じゃなければ出来ない何か。
文明といっても良いし、文化といっても良いし、芸術といっても良いし、感性といっても良い。
この世界から日本が消えてしまったら、もう誰もそれに変わるものを発信できない何か。
・・・・・・
なァ~んとなく、分かってきました?
それでも、皆さんはいったい日本はどうやって、その何かを発信しているか分からないんじゃないでしょうか。
じつは、物凄く発信しているのです。
日本人は、残念ながら口で話すことは上手じゃない。
だが、その造ったものは、物凄く発信している。
しかも、饒舌に。
例えば自動車、例えば電気製品、例えば食べ物、最近はアニメですかね?
同じものは出来ない。
日本で作られたものからは、必ず日本らしさが感じ取られているのです。
世界中の人たちに。
確かに、今回の旅行で会った殆どの人たちが英語を流暢に話すのに、日本人はいかにも下手くそだ。
これはとても皮肉なことですね。
日本は物凄く発信するものを持っているけれど、口で表現することが上手くない。
・・・・・・っということで、これから日本は製品だけではなく、人を創ることが大事でしょうね。
流暢に英語を話せなくて良いのです。
江戸時代の人も、明治の人も、今の日本人より英語が出来る人ははるかに少なかった。
にもかかわらず、あれだけのことを出来た上に、尊敬を勝ち得ていたのです。人間として。
でも、表現のツールとして英語は不可欠でしょう。
ちょっと長くなったので、まとめます。
日本人は世界に発信する何かを持っている。
でも、それを案外知らない。
その何かを自覚し、磨くことが大事でしょう。
そして最後に、英語力。
これが出来るようになると、次の100年の日本はすばらしい国になることは間違いありません。
残念ながら、私のジェネレーションではもう無理なんですよね。
次のジェネレーションがしなければならないことは、ものすごく明確だと思いませんか?
・・・・・・
以上、会社への報告より、よほど気合を入れて書きました。
(;^ω^A
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