・・・・・・っということで、無事に家に帰ってきた。
長い航海を終えて、母港に錨(いかり)を下ろしたような気分。
一風呂浴びて、ビールを傾けながら、娘同士の話を盗み聴く。
そのうちカミサンが友達のところから帰ってくる。
コストコに初めて買い物に行ったらしい。
なにやら興奮気味だ。
台所では、買ってきたステーキを、娘達とカミサンで、あーだこーだと言いながら焼いている。
ぼくは、ビールから日本酒に切り替え、手足の指先までアルコールが徐々にまわって来るのを感じる。
食事中もカミサンと娘達だけで、お喋りに夢中になっている。
そう、オヤジがいないこの一週間も、同じ調子でお喋りしていたのだろう。
そして親父が帰った今も、何ら変化はない。
オヤジは、ただその会話に耳を傾けるだけ。
食事が終わり、お土産の台湾茶を飲む。
最近流行の黒烏龍茶にする。
1年半前に行った御茶屋の話題になる。
やはりその店のお茶は格段に美味しい。
・・・・・・・
家庭は港。
男が最後に帰っていくところ。
そこに帰ると気持ちが緩む。
張り詰めていた気持ちの緊張を一気に解き放つ。
完全に無防備でいられる場所。
筋肉の力も精神の力も、完全に脱力できる場所。
それが家庭だ。
無視されようが構わない。
帰港したことさえ気付かれずにそっと錨を下ろし、
女どもの無邪気なお喋りを遠くに聞きながら、
一人航海の疲れを癒す。
これが至福の時。
・・・・・・・
家庭は港。
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